表面検査
種々の物理・化学的現象を利用して、検査物の表面及び表面近傍のきずや状態を調べることができる検査です。(厳密には、「試験:ある事物の性質・能力などをこころみためすこと。」「検査:(基準に照らして)適不適や異状・不正の有無などをしらべること。 」(いずれも広辞苑より)と違いがありますが、当HPでは同じものとして表記しています。)
磁気探傷検査(MT;Magnetic Testing)
鉄粉が磁石に吸引される原理を使用し、検査物を磁石等で磁化し、検査物表面及び表面近傍きずに発生した磁極に吸着される検査磁粉を観察し、きずを検出します。鋼構造物の溶接部や鋼製の機械部品といった強磁性体の検査物にのみ適用可能です。(非磁性体のステンレス鋼には適用できません)
浸透深傷検査(PT;Penetrant Testing)
開口したきずに毛細管現象により検査液が浸透することを利用した方法です。金属、非金属等の表面開口きずに適用可能です。(コンクリートのような吸湿性の素材には適用できません)
赤い浸透液を使用することが多いので、一般に「カラーチェック」と呼ばれています。
渦電流探傷検査(ET;Eddy Current Testing)
交流を流したコイルを金属材料表面に近づけると渦電流が発生します。その渦電流の変化を見ることにより表面におけるきずを検出します。磁気探傷検査や浸透深傷検査と異なり、塗装の上からでも検査が可能です。
鋼構造物の溶接部といった導電性のある検査物にのみ適用可能です。
目視検査(VT;Visual Testing)
人の目で対象物を見て品質を確認する方法で、非破壊検査における基本の検査方法です。金属材料表面の腐食状況の確認や、溶接部の脚長や余盛高さの測定等を行います。他の非破壊検査と一緒に行うこともあります。
「外観検査」と呼ばれることもあります。