内部検査
X線や超音波等を利用して、検査物の内部のきずや状態を調べることができる検査です。(厳密には、「試験:ある事物の性質・能力などをこころみためすこと。」「検査:(基準に照らして)適不適や異状・不正の有無などをしらべること。 」(いずれも広辞苑より)と違いがありますが、当HPでは同じものとして表記しています。)
放射線透過検査(RT;Radiographic Testing)
X線装置・γ(ガンマ)線装置で、検査物内部に放射線を透過させ、健全部ときず部の放射線の透過率の差をフィルム等に写し、検査を行います。金属材料、コンクリート、樹脂製品等、幅広い材質の検査に適用できます。
(医療分野では胸部レントゲン撮影で用いられている手法です)
DRTシステム検査 印刷用
DRT(デジタル・ラジオグラフィー・テスト)は、従来のフィルムの代わりにIP(イメージングプレート)の媒体を使って、X線装置等の放射線でコンクリート構造物や配管・鋼構造物の内部構造・状態を、デジタル画像として表示する試験方法です。撮影された情報はデジタル画像として取り込まれ、画像処理、解析を行い、PCモニター上で確認します。
従来のフィルムでは不可能であった厚さ500mmのコンクリート(560mmの実績あり ) や、二重管、保温材付配管、板厚差の大きな鋳物等を短時間でかつ1回の撮影で検査を実施することが可能となりました。
超音波深傷検査(UT;Ultrasonic Testing)
超音波(20kHz以上の人間の耳には聞こえない音)パルスを検査物に送り込み、検査物内部のきず(不連続部)で反射してくる超音波パルスの時間差・強さを測定することにより、きずまでの距離・大きさを測定します。また、不連続部で反射してくる性質を利用して板や管の厚さを測定することもできます。
金属材料、コンクリート等の検査に適用できます。
自動超音波深傷検査(AUT;Automatic Ultrasonic Testing)
鋼橋の床版や桁等の溶接部を、自動走行する超音波探触子により対象箇所を全自動探傷し、きず情報を記録し、画像化・判定を行います。道路橋示方書に基づく実証試験を行い、システムの適合性確認を行っています。
フェーズドアレイ法(PA;Phased Array) 印刷用
超音波深傷の手法の1つですが、通常の超音波探傷よりも、一操作で広い範囲の探傷が可能な為、きずを素早く検出することができ、探傷範囲の状況を画像データとして見ることができます。(医療分野では体内部の臓器や胎児のエコー検査で用いられている手法です)
6チャンネルタンク側板連続厚さ測定検査 印刷用
タンク側板等の鋼板垂直面をマグネットの吸着力で自由に走行できるクローラ台車に、6チャンネルで厚さ測定が行える探査ヘッドを装着し、走行部の連続厚さ測定結果を120mm幅で画像化します。足場レスの高所20mまでの厚さ測定が可能で、足場架設の手間とコストが削減でき、裏面状況を画像として確認できます。
配管内挿式水浸超音波探傷(IRIS;Internal Rotary Inspection System) 印刷用
熱交換器等の内径数十mmの小径配管内に超音波探触子を挿入し、全面の厚さを測定し、測定部位の全面展開図と指定箇所の最小値を画像と数値で表示できます。アコースティックエミッション検査(AE;Acoustic Emission)
アコースティックエミッション現象を装置を用いて測定し、材料内部の欠陥検出・回転部の不具合検出・不具合部の位置検出・長さ測定等を行い、解析します。鋼材には、高周波用AEセンサー、コンクリートには低周波AEセンサーを使用します。